罪障（読み）ざいしょう

精選版 日本国語大辞典

ざい‐しょう ‥シャウ【罪障】

〘名〙 仏語。往生・成仏など、善果を得るさまたげとなる悪い行ない。成仏の障害となる罪業。

※本朝文粋（1060頃）一三・為奝然上人入唐時為母修善願文〈慶滋保胤〉「但我罪障之身。血肉之眼」

※方丈記（1212）「冬は雪をあはれぶ。積り消ゆるさま、罪障にたとへつべし」 〔首楞厳経‐七〕

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ざい‐しょう〔‐シヤウ〕【罪障】

仏語。往生・成仏の妨げとなる悪い行為。「罪障消滅」
[類語]罪・咎とが・過ち・罪悪・罪科・罪過・犯罪・罪業・悪徳・背徳・不徳・不仁・不義・不倫・破倫・悪あく・悪行あくぎょう・悪事・違犯

出典　小学館

世界大百科事典（旧版）内の罪障の言及

【犯罪】より

…社会とくに共同体の公共性を犯すものは社会的犯罪，特定の社会的役割に対する期待を犯すものが道義的犯罪，良心や倫理を犯すものが道徳的犯罪などと一応区別されるが，いずれも一括して罪悪･罪過などともよばれるように，明確な区別をつけにくいことが多い。これらに対し，神をはじめとし，祖先を神格化した祖霊や超自然的力ないしそれに基づく精霊などの神霊の権威を犯す宗教的犯罪は，しばしば罪障，罪業，冒瀆（ぼうとく）などとよばれて前者と区別される。国家の法を犯す刑法上の犯罪は，これらとはまた別の類型である。…

※「罪障」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」