罠・羂・輪奈・綰(読み)わな

精選版 日本国語大辞典 「罠・羂・輪奈・綰」の意味・読み・例文・類語

わな【罠・羂・輪奈・綰】

〘名〙
① (━する) 紐などを輪の形にしたもの。また、それを掛けること。
満佐須計装束抄(1184)一「わらはのさうぞくをいだすこと〈略〉かざみのまへひとつをひきいだして、はかまのうへにならぶるなり。〈略〉わなをみなむかひざまにいだすべし」
読本・英草紙(1749)三「任重が頭(くび)に套(ワナ)していて行く」
② 縄や竹などを輪の形にして、その中にはいった鳥や獣を締めて生けどりにするための仕掛け。転じて、広く網や落とし穴などをはじめ、鳥獣をおびき寄せてとらえるためのいろいろの仕掛けについてもいう。
※古事記(712)中・歌謡宇陀の 高城(たかき)に 鴫(しぎ)和那(ワナ)張る 我が待つや 鴫は障(さや)らず」
③ (②から転じて) 他人をおとしいれるための計略。落とし穴。陥穽(かんせい)
※読本・椿説弓張月(1807‐11)残「まげてこの処を走り出、這奴等(しゃつら)が罠(ワナ)を脱(まぬか)れ給へ」
④ 「わなてん(輪奈天)」の略。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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