20世紀日本人名事典 「織田 一磨」の解説
織田 一磨
オダ カズマ
明治〜昭和期の版画家
- 生年
- 明治15(1882)年11月11日
- 没年
- 昭和31(1956)年3月8日
- 出生地
- 東京市芝公園(現・東京都港区)
- 経歴
- 川村清雄に油絵を、金子政治郎に石版画を学んだ。明治31〜36年関西で水彩画を修業。また生活のため石版画工として複製版画や広告図案を作り、37年トモエ会に洋画を出品。42年石井柏亭らの美術文芸誌「方寸」の同人となり石版による創作版画を発表、文展、帝展、二科展にも出品したが、大正5〜8年消えゆく明治の「東京風景」「大阪風景」などの連作40枚を完成、石版画家としての地歩を築いた。この間7年には日本創作版画協会創立に参加、以後洋風版画会、日本版画協会などで活躍した。また大正初年から浮世絵の研究を始め、15年「北斎」「浮世絵十八考」、昭和6年「浮世絵と挿絵芸術」などを出版。著書は他に挿絵入り随筆集「武蔵野の記録」がある。11年以後文展無鑑査、26年以後日展に招待出品。24年にはボストン美術館に自画石版多数を寄贈した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報