縫込(読み)ぬいこむ

精選版 日本国語大辞典 「縫込」の意味・読み・例文・類語

ぬい‐こ・む ぬひ‥【縫込】

[1] 〘他マ五(四)〙
① 布の中に他の物を入れて縫う。包み込んで縫う。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一五「此金を襦袢へ縫ひ込んで呉れ」
本来縫代(ぬいしろ)以外の余分なゆとりも縫代に入れこんで縫う。また、縫い合わせた布の端が縫い目の中に隠れるように縫う。
鳥影(1908)〈石川啄木〉五「其処に縫込んだ揚(あげ)があるぢゃないか」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒ぬいこめる(縫込)

ぬい‐こ・める ぬひ‥【縫込】

〘他マ下一〙 ぬひこ・む 〘他マ下二〙 縫って中に入れる。中に物を入れて縫う。
※林葉集(1178)春「見渡せば波のあやおる池水をぬひこめてけり青柳の糸」
小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉五「途中にて、上衣の縁に金貨若干を縫ひ籠めありし事を思ひ出でて」

ぬい‐こみ ぬひ‥【縫込】

〘名〙 縫いこむこと。布の端が縫い目の中に隠れるように縫うこと。また、その部分
浄瑠璃薩摩歌(1711頃)中「ながらへはつる身幅なし、ぬひこみひろき身でもなし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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