縫取(読み)ぬいとり

精選版 日本国語大辞典 「縫取」の意味・読み・例文・類語

ぬい‐とり ぬひ‥【縫取】

〘名〙 布帛(ふはく)の上に、種々の模様文字などを色糸で縫い出すこと。また、その模様。刺繍(ししゅう)。ぬいさし。
浮世草子男色大鑑(1687)八「帯は白綸子につばくらの縫鳥(ヌヒトリ)に、紫糸の網をかけ」

ぬい‐と・る ぬひ‥【縫取】

〘他ラ五(四)〙 縫い取りをする。刺繍(ししゅう)する。
※桑の実(1913)〈鈴木三重吉二一「とにかくかう言ったやうな柄を、こんな風に縫ひ取って帯にしたらどうだと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の縫取の言及

【縫取織】より

…紋織物の一つ。縫取(繡取)は元来刺繡(ししゆう)用語で,布帛の一部に別糸で文様を繡(ぬ)いあらわすことをいう。したがって〈縫取織〉は縫取ふうな織物をさし,その特色は文様をあらわす彩糸(いろいと)(絵緯(えぬき))が文様に必要な部分だけ往復して用いられ,他の錦などの絵緯のように織幅いっぱいの通し糸とならないことにある。…

※「縫取」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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