よし【縦】
〘副〙 (
形容詞「
よし」から。「可
(よ)し」と仮に許す意)
①
満足ではないが、仕方がないとして
放任・許容するさま。まあいい。ままよ。
※
万葉(8C後)一〇・二一一〇「
人皆は萩を秋と云ふ縦
(よし)吾れは
尾花が末
(うれ)を秋とは言はむ」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一「勅諚なれば
姫宮もよし力なし去ながら、心に染まぬ妻定め左右なう引べき様はなし」
② (多く下に逆接の
仮定条件を表わす語を伴って) たとい。かりに。
万一。よしんば。
※万葉(8C後)二・一四九「人は縦(よし)思ひ止むとも玉かづら影に見えつつ忘らえぬかも」
※
謡曲・
吉野静(1423頃)「思へば涙み吉野の、よし逃がれずと君をだに、落とし申さばそれまでぞと」
たつ【縦】
※
宗長手記(1522‐27)下「
本城の岸、谷の底までたつに堀つづけ、
あしをとどむべきやうもなし」
たた【縦】
〘名〙 他の語と複合して「たて(縦)」の意を表わす。「たたさ」「たたさま」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「縦」の意味・読み・例文・類語
たて【縦/▽経/×竪】
1 上下の方向。また、その長さ。「首を―に振る」「―書き」⇔横。
2 前後の方向。また、その長さ。「―に一列に並ぶ」⇔横。
3 立体や平面のいちばん長い方向。「布を―に裂く」⇔横。
4 南北の方向。「大陸を―に貫く大河」⇔横。
5 身分・階級・年齢などによる、人間の上下の関係。「―社会」⇔横。
6 織物の縦糸。⇔横。
よし【▽縦】
[副]《形容詞「よし」から。「可し」と仮に許す意》
1 (仮定の表現を伴って)仮に。たとえ。よしんば。万一。
「―解った処が仕様の無い話で」〈小杉天外・はやり唄〉
2 満足ではないがやむをえないとするさま。ままよ。
「人皆は萩を秋と言ふ―我は尾花が末を秋とは言はむ」〈万・二一一〇〉
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