(読み)バク

デジタル大辞泉 「縛」の意味・読み・例文・類語

ばく【縛】[漢字項目]

常用漢字] [音]バク(呉) [訓]しばる いましめる
なわでしばる。自由を奪う。「緊縛繋縛けばく・けいばく呪縛じゅばく就縛束縛捕縛自縄自縛

ばく【縛】

しばること。また、しばられること。「を解く」
仏語人間を束縛するもの。煩悩のこと。
[類語]繋縛緊縛

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「縛」の意味・読み・例文・類語

しばり【縛】

〘名〙 (動詞「しばる(縛)」の連用形の名詞化)
① なわなどでしばること。また、しばってあるところ。結びめ。しばりめ。
※玉塵抄(1563)三七「その罪人のしばりをといてゆるすことぞ」
② 制限や規則を設けて規制すること。拘束すること。また、その制限や規則。
※評判記・色道大鏡(1678)五「其上にしばりをかけをき、後々まで少も心のたゆまぬやうに仕立るを」
③ 金を貸す期限。くぎり。多く、その期限を示すことばを上に伴って用いる。
※歌舞伎・東海道四谷怪談(1825)序幕「月三両の三月縛りとでもいはざァ、話しは解るまいかの」
一度全額を返済する約束で貸す銀行の定期貸付金。
⑤ 寄席芸人仲間で、出番順の名。切(きり)から二つ前をいう。
将棋で、直接に王手をかけないで、相手の王将の逃げ道に自分の駒が利くように打ち、相手の王将を身動きできなくしてしまうこと。待ち駒。

しば・る【縛】

〘他ラ五(四)〙
① ひもやなわなどでむすびつける。ゆわえる。しめくくる。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
平家(13C前)二「鞋(わらんづ)なんどいふ物しばりはき」
② とらえて、なわを体にまきつけ、身動きできないようにする。捕縛する。
書紀(720)大化五年三月(北野本訓)「枷を着(は)け反に縛(シハレリ)
③ 自由にできないように制限する。拘束する。束縛する。
海道記(1223頃)極楽西方に非ず「財は先生(せんしゃう)怨敵なり。貪着、身をしばりて四生の牢獄にこむ」
④ (「食いしばる」「噛みしばる」「取りしばる」など、他の動詞の連用形に付いて) 強くしめて動かさないようにする。

ばく‐・する【縛】

〘他サ変〙 ばく・す 〘他サ変〙 しばって動けないようにする。転じて、行動の自由を制約する。束縛する。しばる。
正法眼蔵(1231‐53)行仏威儀「いま行仏かつてかくのごとくの縛に縛せられざるなり」
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一一老婢を縛(バク)して」

ばく【縛】

〘名〙 しばること。また、しばられること。なわめ。また、身体の自由を束縛されること。「縛に就く」
今昔(1120頃か)二〇「僧、法花経の普門品の初の段を誦しければ、忽に縛被解(とかれ)にければ」 〔春秋左伝‐僖公六年〕

ばく‐・す【縛】

〘他サ変〙 ⇒ばくする(縛)

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