縄とび(読み)なわとび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「縄とび」の意味・わかりやすい解説

縄とび
なわとび

縄を回旋して跳ぶ運動で、児童の遊戯として広く行われる。短縄(たんじょう)を使って1人で行うものから、長縄を用いて大ぜいで行うものまで、多くの種類がある。1人跳びは縄の両端を持って前後に回して跳ぶもの、手を交差したり、一度跳び上がっている間に縄を2回旋するもの、1人が跳んでいる前面から他の1人が入って向き合いで跳ぶものなどがある。大ぜいのときには、2人で縄の両端を持って縄を上下に回して跳ぶ「おまわし」や、左右に振り動かす「おおなみ」があり、これらを2人以上で跳びながらじゃんけんをして勝負をつけたりする。縄にひっかかれば反則となることはいずれも同じで、歌を伴ったり、種々の変化がある。

[丸山久子]

 縄とびskippingは、古くから世界各地に伝わる庶民的な運動である。短縄とびには、新体操のように手具として用いる跳び方や、リズム縄とび、回数や時間を競う縄とび、スポーツマンが筋力持久力を養う目的で行う縄とび、高度な技術を競い合う、スポーツとしての縄とび競技など、いろいろな方法がある。

 ドイツを中心としたヨーロッパでは19世紀の初頭に、すでに腕交差2回旋とびなどの高度な技(わざ)が行われていた。最近ではとび縄(ビニル製のもの)や、ジャンピングパネル(弾力性に富んだ跳び板)など、運動環境の開発により、4回旋の変化技(前方あや4回旋順・交・順など)や5回旋とび(一跳躍で縄を5回まわす)などの高度な技術が可能になった。

[太田昌秀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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