縁辺(読み)えんぺん

精選版 日本国語大辞典 「縁辺」の意味・読み・例文・類語

えん‐ぺん【縁辺】

〘名〙
① 特定領域の周縁部。特に、国の周り。国境
※律(718)衛禁「凡縁辺之城戍。有外姦内入。〈謂。衆不百人者〉内姦外出」 〔史記‐匈奴伝〕
② 物の周囲。へり。ふち
※寛斎先生遺稿(1821)三「口稜以紫竹、縁辺刻字」
③ ゆかりある人。縁続きの人。縁家。
※秋成本落窪(10C後)三「縁辺になりぬるこそ、頼もしけれ」
④ 夫婦の縁を結ぶこと。縁組。結婚。縁約。
※玉塵抄(1563)二四「前に韓業が所えいて縁辺をこうたぞ」
※古文真宝前集抄(1642)一「若し未だ縁辺なき人ならば、我が聟に取らん」

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デジタル大辞泉 「縁辺」の意味・読み・例文・類語

えん‐ぺん【縁辺】

物のまわり。物の周縁部。また、一国周辺
縁故のある人・家。特に血縁婚姻による親族関係
「―の事なれば妻娘つまこをも呼びて」〈露伴・風流魔〉
結婚すること。また、縁づかせること。
「娘の―の事に就きましても…御心配を願いましたそうで」〈漱石吾輩は猫である

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普及版 字通 「縁辺」の読み・字形・画数・意味

【縁辺】えんぺん

まわり。周辺。唐・杜甫〔秦州雑詩、二十首、四〕鼓角太鼓角笛軍事に用いる)、邊の郡 川原(せんげん)、夜ならんと欲する時

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