縁側・椽側・縁頬（読み）えんがわ

精選版 日本国語大辞典

えん‐がわ ‥がは【縁側・椽側・縁頬】

〘名〙

① 住宅などで部屋の外側に設けた板敷。廊下、上がり口などをも兼ね、日本家屋特有のもの。戸外との境に雨戸やガラス戸を立てるものとそれのない濡れ縁とがある。形式により、榑縁(くれえん)、切れ目縁など多くの種類がある。縁。

※南方録（１７Ｃ後）書院「塵壺を〈略〉鴎休は無用のよしにて、休の書院にても縁がわの隅の、ぬめ板にをかれたり」

② 江戸時代、奉行所の法廷の一部。

※与力同心諸勤方之覚（江戸中‐後か）「一御目見以下御家人陪臣出家山伏検校勾当者椽頬え出し」

③ 江戸時代、登城した武士の詰め所となり、また、御目見人の披露などの行なわれた場所。江戸城内大広間、菊之間、御黒書院、御白書院、御右筆部屋などにあった。

※禁令考‐前集・第四・巻三八・寛延二年（1749）三月二〇日「一御黒書院右於御縁頬、御目見御奏者番披露」

④ 魚類のひれの基部にある骨。担鰭骨(たんきこつ)。

⑤ ④にある肉の部分。特にカレイ、ヒラメ類にいう。

※湯島詣（1899）〈泉鏡花〉四「比良目は縁側に限る」

出典　精選版 日本国語大辞典