練緯(読み)ねりぬき

世界大百科事典(旧版)内の練緯の言及

【織物】より

…しかし乱後の1513年(永正10)京都では練貫(ねりぬき)方という機業団体と大舎人(おおとねり)方と称する一団とが,綾織物の製織に関する独占権をめぐって争いを起こしており,乱後三十数年間に京都の機業がある程度復興していた実情を示すといえよう。練貫方は経に生糸,緯に練糸を用いた白生地の練緯(ねりぬき)を主力に生産してきた機業集団で,需要が増えるにしたがって筋(すじ)(縞),隔子(こうし)(格子縞),あるいは縬(しじら)なども織るようになり,さらに文様を織り出す綾織物にまで進出した。一方,大舎人方は,かつての織部司の伝統を継ぐ織手たちの集団であり,いわば京都の伝統的機業の正系派であった。…

【練貫】より

…元来は生緯(きぬき)に対して,精練した緯糸をさす語であるが,特に経に生糸,緯に練糸を使用して平織にした絹織物の呼称として用いられる。練緯とも書く。小袖の地質に最も広く活用されたのは室町・桃山時代のころで,現存する〈辻が花〉や〈繡箔(ぬいはく)〉,小袖などは大部分この地合いによっている。…

【有職織物】より

…経糸と緯糸によって作られる織物の四原組織のうち繻子(しゆす)組織を除くすべて,平組織(平織),斜文組織(),綟り(もじり)組織(綟り織)を網羅し,それぞれの組織の中にもさまざまな風合いのものがみられる。 平織では絹,絁(あしぎぬ),縑(かとり),練緯(ねりぬき),精好(せいごう)などが挙げられ,絹は上質の生糸を用いて織ったもの,絁は絹よりやや質の落ちる太細のある糸で織ったもの,縑は上質の生糸を精密に固く織ったものとされている。以上は経緯とも生糸で織り,生絹(すずし)と呼ばれてそのまま使うか,それを練って練絹として用いる。…

※「練緯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」