緑色片岩(読み)りょくしょくへんがん(英語表記)greenschist

精選版 日本国語大辞典 「緑色片岩」の意味・読み・例文・類語

りょくしょく‐へんがん【緑色片岩】

〘名〙 緑泥石緑閃石緑簾石などを多く含むため緑色を示す結晶片岩玄武岩や玄武岩質火砕岩が低温の変成作用をうけるとできる。

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デジタル大辞泉 「緑色片岩」の意味・読み・例文・類語

りょくしょく‐へんがん【緑色片岩】

低温で変成作用を受けてできる緑色の結晶片岩緑泥石白雲母しろうんも緑簾石りょくれんせき斜長石石英などからなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「緑色片岩」の意味・わかりやすい解説

緑色片岩
りょくしょくへんがん
greenschist

緑泥石、緑簾(りょくれん)石、アクチノ閃(せん)石、パンペリー石曹長(そうちょう)石などを主成分とする結晶片岩。玄武岩や玄武岩質火砕岩が、比較的低い温度条件(約200℃)の下で広域変成作用を受けて生成したもの。再結晶作用は完全でないことも多く、そのため原岩の鉱物、とくに単斜輝石が残留していることが少なくない。しかし、片理の発達は一般に顕著で、緑泥石やアクチノ閃石はその方向に平行に配列する。広域変成帯の最低温度部分を構成する代表的な岩石で、緑色片岩相という変成相の名称のもとになっている。緑色片岩のなかで、変成作用のときの圧力が高かったものは、藍閃(らんせん)石やローソン石を含むこともある。三波川(さんばがわ)変成帯や三郡変成帯の低温部はもとより、阿武隈(あぶくま)変成帯の低温部にも広く分布している。

[橋本光男]

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百科事典マイペディア 「緑色片岩」の意味・わかりやすい解説

緑色片岩【りょくしょくへんがん】

緑色の結晶片岩のこと。主成分鉱物陽起石(アクチノセン石)・緑泥石・緑レン石・絹雲母・斜長石・石英などで,一般に変成度のあまり高くない苦鉄質中性火山岩・火山噴出岩を源岩とする変成岩である。

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岩石学辞典 「緑色片岩」の解説

緑色片岩

構成鉱物として角閃石,緑泥石,緑簾石などを多量に含む低度の結晶片岩の野外名の総称[Naumann : 1849, Kalkowsky : 1886].緑色片岩(greenschist)は英語や日本語などではいずれも一つの単語であって,緑色の片岩のことではない.

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防府市歴史用語集 「緑色片岩」の解説

緑色片岩

 地下の深いところで、熱や圧力によってつくられた石の一種です。うろこ状や柱状の結晶がくっついてできたもので、帯状の模様に見えます。防府市内では中浦周辺で見られます。

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