緑・翠(読み)みどり

精選版 日本国語大辞典 「緑・翠」の意味・読み・例文・類語

みどり【緑・翠】

[1] 〘名〙
草木の芽。新芽
古今(905‐914)春上・二五「わがせこが衣春雨ふるごとに野辺のみとりぞ色まさりける〈紀貫之〉」
② 色の名。青と黄との間色。七色の一つ。また、光の三原色の一つ。みどりいろ。
(イ) 草木の葉のような色。特に、新緑の頃の葉のような色。《季・夏》
万葉(8C後)一〇・二一七七「春は萌え夏は緑(みどり)に紅の綵色(まだら)に見ゆる秋の山かも」
(ロ) 海や空などのような色。深い藍色。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
※長秋詠藻(1178)上「ながめするみどりのそらもかき曇りつれづれまさる春雨ぞふる」
(ハ) 黒くつやのある色。多く毛髪にいう。→緑の髪
※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)初「緑を願ひし黒髪を」
③ (松の緑、すなわち松の太夫の芽生えの意から) 江戸時代、遊里で禿(かぶろ)の称。
※洒落本・孔雀そめき(1789‐1801)自叙「いろのみどりを禿の名によべる子の日の松の太夫しょくとて」
[2]
[一] (緑) 名古屋市の行政区の一つ。昭和三八年(一九六三成立。市南東部にあり、江戸時代は東海道の鳴海宿、問屋場として栄えた。有松絞り産地近年は住宅地として発展
[二] (緑) 横浜市の行政区の一つ。昭和四四年(一九六九港北区から分離成立。市の北西部に位置し、住宅地として発展。平成六年(一九九四青葉区および都筑区分区
[三] (緑) 千葉市の行政区の一つ。平成四年(一九九二)成立。市南部、村田川東岸一帯を占める。旧水田地帯から住宅地として発展。
[四] (緑) さいたま市の行政区の一つ。平成一五年(二〇〇三)成立。市域の南東部を占め、埼玉スタジアムがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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