精選版 日本国語大辞典 「綴」の意味・読み・例文・類語
つづ・る【綴】
[1] 〘他ラ五(四)〙 同類のものを二つ以上つぎ合わせる。
① 糸などで二つ以上のものをつなぎ合わせて布地や衣服にする。また、欠けたり破れたりした所をつぎ合わせる。
※大智度論平安初期点(850頃か)「手を以て衣を縫(ツツリ)き」
② 布、紙などをつぎ合わせる。
③ 紙を糸・紐などでとじる。とじ合わせる。
④ ことばを組み合わせて文を作る。また、文章に書き表わす。
※日葡辞書(1603‐04)「コトバヲ tçuzzuru(ツヅル)」
※羅馬字早学び(1885)〈矢田部良吉〉緒言「羅馬字を以て邦語を綴るには、英語の子字用法に拠るを便なりとす」
⑥ 比喩的に、ある行為や物事をとぎれなくつづける。
[2] 〘自ラ下二〙 ほころび破れる。また、繕ってある。
※暴夜物語(1875)〈永峰秀樹訳〉後翁並二犬の伝「其打扮(いでたち)たるや頭は乱れ、服は弊(ツヅ)れ、見る影もなき有様なれども」
つづり【綴】
① 布きれをつぎ合わせたもの。粗末な衣服。ぼろぼろの着物。つづれ。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
※ささめごと(1463‐64頃)下「此等は外穢内浄の句なるべし。たとへば、金(こがね)をつづりに裹(つつ)みたるごとし」
② 種々のきれをつぎ合わせてつくった袈裟、または、法衣。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四「よくよくかんがへよみたまはねば、作者の綴(ツヅ)りがあしきゆゑ、わかりがたかるくだりもあるべし」
④ 書類などをとじ合わせること。また、そのもの。ファイル。
とじ とぢ【綴】
〘名〙
① (動詞「とじる(綴)」の連用形の名詞化) とじ合わせること。また、とじたさまや、とじたもの。
※俳諧・犬子集(1633)一四「碁ばんは箱に入て置けり 十とちあれど半はしらぬ謡本〈玄札〉」
② 卵綴じのこと。
※滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)一一「その玉子をたんといれて、とぢにでもしてもらひてへの」
つづくり【綴】
〘名〙 (動詞「つづくる(綴)」の連用形の名詞化。「つつくり」とも) 修理。修繕。補修。
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「日覆(ひおほひ)も霜よりしもに朽果(くちはて)て 大工つかひや橋のつづくり〈幾音〉」
と・じる とぢる【綴】
〘他ザ上一(ダ上一)〙 と・づ 〘他ダ上二〙 重ねてひとつにつづりあわせる。ひとつに縫いつける。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
※談義本・教訓続下手談義(1753)四「小袖の裙はほらほらせぬやうに針でとぢて歩行(あるく)さへ」
と・ず とづ【綴】
〘他ダ上二〙 ⇒とじる(綴)
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