綱別庄(読み)つなわけのしよう

日本歴史地名大系 「綱別庄」の解説

綱別庄
つなわけのしよう

遠賀おんが川支流庄内川の中流域、現綱分つなわき一帯にあった宇佐宮領庄園。古代嘉麻かま綱別つなわき(和名抄)の郷名を継承する。長保五年(一〇〇三)八月一九日の八幡大菩薩宇佐宮司解案(宮寺縁事抄/平安遺文九)によれば、宇佐宮側は大宰帥平惟仲が先例を無視して当庄を含む「五箇所庄」に官物などを賦課したため、「御灯絶光、神供不備」となったことを朝廷に訴えている。当庄の規模については「宇佐大鏡」に「綱別庄四至田数廿二丁三段 用作四丁八段」とあり、年月日未詳の宇佐宮神領次第案(到津文書/大分県史料三〇)によれば綱別庄は二八名で構成されている。この綱別庄を本庄として「綱別新庄」(嘉麻郡宮吉名)が嘉麻郡一帯に形成されており、「南郷宮吉卅二丁四反三百歩、金丸、同北郷二百八十七丁九反六十歩、敷地三丁五反半、田数五丁余、筒野寺田一丁三(反)余」(宇佐大鏡)という大規模なものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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