(読み)ジュ

デジタル大辞泉 「綬」の意味・読み・例文・類語

じゅ【×綬】

古代中国で、官職を表す印を身につけるのに用いた組みひも。官位によって色を異にした。
古代、礼服らいふく着用のとき、胸の下に垂らした帯。白地に種々の色を組み合わせて、平緒ひらおのように組んだもの。
勲章褒章記章などを身につけるために用いるひも。大綬中綬小綬略綬の4種がある。

じゅ【綬】[漢字項目]

[音]ジュ(呉)
官印や勲章・記章などを下げるひも。くみひも。「印綬紫綬藍綬らんじゅ

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精選版 日本国語大辞典 「綬」の意味・読み・例文・類語

じゅ【綬】

〘名〙
① 古代中国で、官職のしるしとして身につける印に結びつけた組紐(くみひも)。官位の高下により色を異にした。〔漢官儀〕
佩玉(はいぎょく)の組紐。
令制の、礼服の付属具。乳の下から結んで垂れる白の絛帯(くみおび)で、平緒のように組んだもの。
令義解(718)衣服「五位以上佩綬」
④ 勲章・褒章・記章などを身につけるために用いる紐。大・中・小・略の四種がある。
太政官布告第五四号‐明治八年(1875)四月一〇日「一等賞牌は幅広き綬を以て右肩より左脇へ斜に佩ふ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「綬」の意味・わかりやすい解説


じゅ

(1)古代中国で、官吏の身分を表す印の鈕(ちゅう)(つまみ)の穴に通して身に佩(お)びるための紐(ひも)。官位によってその色が異なり、たとえば金印に紫綬(しじゅ)が用いられた。『後漢書(ごかんじょ)』に光武帝が倭(わ)の奴国(なこく)の使人に印綬を賜ったとあり、漢委奴国王の金印には紫色の綬がつけられていたと思われる。

(2)養老(ようろう)の衣服令に規定された礼服に用いられる平組みの帯。衣服令には天皇についての規定はないが、『西宮記(さいぐうき)』に天皇礼服、白綬とあり、乳下に結び垂らすとある。

(3)勲章、褒章、記章などをつけて垂らすための組紐や織り紐。

[高田倭男]

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【印綬】より

…秦になってから,これを整理し,色分けされた組みひもで璲玉をつなぎとめ,地位を明示するようになった。これが〈綬〉である。この綬に官職印をつないで腰につけたので印綬という。…

※「綬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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