精選版 日本国語大辞典 「続狂言」の意味・読み・例文・類語
つづき‐きょうげん ‥キャウゲン【続狂言】
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歌舞伎用語。放(はなれ)狂言(一幕物)に対する用語で,多幕物の狂言のこと。ただし歌舞伎において場面と場面を幕の閉開で区切るようになるのは元禄期(1688-1704)からで,続狂言が上演されることと,幕の発生とはむすびつかない。初期には,間(あいの)狂言や口上などで場面を区切っていたものと考えられる。上方における最初の続狂言は,1664年(寛文4)大坂荒木与次兵衛座の福井弥五左衛門作《非人敵討》,江戸においては,同じく64年市村座の都伝内作《今川忍び車》ということになっているが,両者とも明確な根拠がない。現実には,もう少々早くから2場以上の場数をもつ狂言が上演されていたようである。元禄期になると,上方では三番続き,江戸では中村座,市村座が四番続き,山村座,森田座が五番続きという定型が生まれ,演劇的には飛躍的な発展を見せている。
執筆者:近藤 瑞男
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