続命縷(読み)しょくめいる

精選版 日本国語大辞典 「続命縷」の意味・読み・例文・類語

しょくめい‐る【続命縷】

〘名〙 五月五日の端午節供に、邪気を払い、不浄を避けるもの。麝香(じゃこう)・沈香(じんこう)丁子(ちょうじ)などの香料を錦の袋に入れ、円形にして糸や造花で飾り、菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)をあしらい、五色の糸を長くたらしたもの。長命縷薬玉(くすだま)。ぞくめいる。《季・夏》
※三代実録‐元慶七年(883)五月五日「天皇御武徳殿、覧四府騎射及五位已上貢馬。喚渤海客徒之。賜親王公卿続命縷」 〔宋史‐礼志・諸慶節〕

ぞくめい‐る【続命縷】

※文明本節用集(室町中)「続命縷 ゾクメイル」

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デジタル大辞泉 「続命縷」の意味・読み・例文・類語

しょくめい‐る【続命×縷】

薬玉くすだま1」に同じ。

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世界大百科事典(旧版)内の続命縷の言及

【薬玉】より

…端午の節供に用いる飾物。もと中国から伝来した習俗で中国では続命縷(しよくめいる),長命縷,五色縷などといい,5月5日にこれをひじにかけると邪気をはらい,悪疫を除き,寿命をのばすききめがあるとして,古くから用いられた。日本でははじめショウブとヨモギの葉などを編んで玉のようにまるくこしらえ,これに5色の糸をつらぬき,またこれに,ショウブやヨモギなどの花をさしそえて飾りとした。…

【端午】より

…菖蒲はこの日ひろく用いられ,近世には菖蒲酒を飲み,菖蒲湯に浴すということも行われた。また,奇(くす)しく霊なる意味から薬の玉を室内に飾り,身につけ,邪気をはらう意があった薬玉(くすだま)は,寿命を延べることから続命縷(しよくめいる)と称し,五色の糸で作り季節の花を,それにつけて贈答する風もあった。平安時代には,天皇が武徳殿に出席して騎射(うまゆみ)と競馬が5日,6日の2日間にわたって行われ,のち宴が催された。…

【懸守】より

御守護符【山辺 知行】
[中国]
 中国にも懸守は古くからあって,首,胸,背あるいは腰,腕などにつけた。端午に色糸をひじにかけて,流行病などを避けたことは後漢の《風俗通》に見え,のちに長命縷(ちようめいる)・続命縷(ぞくめいる)などといわれた。兵難よけの護符としてこの日に用いられた赤霊符(せきれいふ)は道教的なものである。…

※「続命縷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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