絵踏み(読み)エブミ

デジタル大辞泉 「絵踏み」の意味・読み・例文・類語

え‐ぶみ〔ヱ‐〕【絵踏み】

江戸時代幕府がキリスト教禁止の手段として、長崎などで正月4日から8日まで、聖母マリアキリスト像を彫った木板銅板などを踏ませて教徒でないことを証明させたこと。→踏み絵
踏み絵2」に同じ。
[補説]1で、もとは、踏ませた絵や像を「踏み絵」といい、踏む行為を「絵踏み」といった。踏む行為を「踏み絵」とするのは本来は誤り。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絵踏み」の意味・わかりやすい解説

絵踏み
えふみ

江戸幕府キリシタンを摘発するために用いた方法。諸人にイエス・キリストマリアの像や絵を踏ませ,踏むことを拒んだり,ためらったりした者を信徒として処罰するもので,特に九州地方で制度化され実施された。寛永6(1629)年長崎奉行水野守信が考案したものと伝えられる。この絵踏みに使われた聖画像(→イコン)が踏絵(ふみえ)であるが,絵踏みと踏絵は混用されることが多い。安政5(1858)年に長崎で廃止され,のちほかの地域でも行なわれなくなった。多くの板踏絵と真鍮踏絵が東京国立博物館に伝わる。(→キリスト教禁制宗門改

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