統計的品質管理(読み)とうけいてきひんしつかんり(英語表記)statistical quality control; SQC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「統計的品質管理」の意味・わかりやすい解説

統計的品質管理
とうけいてきひんしつかんり
statistical quality control; SQC

統計的方法を用いて行う品質管理品質管理においては,なんらかの突止めうる原因による品質の「ばらつき」 (有意な変動) と偶然的な多数の小原因による品質の「ばらつき」 (有意でない変動) とを見分け前者の原因を除去することをねらいとするが,この見分けを統計的方法で行おうとするもの。具体的には品質管理図を用いるが,これは品質特性値の規格値を中心として,その両側に偶然的な「ばらつき」とみなしうる品質特性値の変動の限界を示す2本の線を引き,計測値がその間にあるかぎりは製造工程は正常と判断され,限界外に出た場合に有意な品質変動が発生したものとして,その原因を除去するためのものである。なお品質管理図は何種類も考案されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「統計的品質管理」の意味・わかりやすい解説

統計的品質管理
とうけいてきひんしつかんり
statistical quality control

品質管理のため多くデータを集め測定し、解析し、判断できるように統計学を応用して、正しい規準や標準を決定できる手法をいう。略称SQC。品質とは製品内容のよしあしの程度を意味するものである。この統計的品質管理により、作業中に偶然におこるばらつきと、偶然のみによっておこるにしては大きすぎるばらつきとを区別することができる。統計的品質管理のおもな手法には、パレート線図による分析、度数分布図法、管理図法、抜取検査法実験計画法などがある。

[玄 光男]

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世界大百科事典(旧版)内の統計的品質管理の言及

【統計学】より

…その例として計量経済学,計量生物学,計量心理学,計量社会学,計量政治学などがある。またそういう名称では呼ばないが,工業における大量生産工程の製品に対する統計的品質管理の方法も,重要な応用分野である。また計量生物学と呼ばれるもののなかには,農業,医学,薬学,生態学などへの応用も含まれ,それぞれ独立した応用分野となりつつある。…

【品質管理】より

…すなわち品質管理のねらいは検査による不良品の除去でなく,製造において不良品を作らないということでなければならない。 しかし,未経験者の多い状況にあっては不良品防止を熟練作業に期待することはできず,これを克服する手段として生み出されたのが管理図を中心とする統計的品質管理の手法である。不良品の発生は品質特性のばらつきの結果である。…

※「統計的品質管理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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