統一原子質量単位(読み)トウイツゲンシシツリョウタンイ

デジタル大辞泉 「統一原子質量単位」の意味・読み・例文・類語

とういつげんし‐しつりょうたんい〔‐シツリヤウタンヰ〕【統一原子質量単位】

原子分子質量を表す単位。静止して基底状態にある質量数12の炭素の12分の1、すなわち近似的に1.6605391×10-27キログラムを1統一原子質量単位とする。SI併用単位ドルトン記号Da)に等しい。記号u
[補説]かつて原子質量単位(記号amuまたはAMU)とよばれていたが、現在は国際純正および応用化学連合(IUPAC)の勧告により、その使用は推奨されない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「統一原子質量単位」の意味・わかりやすい解説

統一原子質量単位
とういつげんししつりょうたんい

原子、素粒子などの質量を表す単位。記号はu。2006年に国際度量衡局により、広く使われているダルトン(記号はDa。ドルトンともいう)という単位も同一と認定された。各種の原子および分子の質量は、一般にこの単位によって与えられる。この単位は、炭素の同位元素12Cを12とし、これを基準にした相対的な数値で表される。1原子質量単位は、12Cの質量の12分の1、すなわち近似的に1.6605655×10-27キログラムである。

 各原子の質量は、古くは水素原子の質量を基準にしてきたが、のちにオストワルトの提案により、化学分野では天然の酸素の原子量を16.0000として、これを基準にしてきた。一方物理学では、酸素(O)の同位元素組成が明らかにされるようになると、その16Oを16.0000として原子量表をつくってきたが、二つの原子量尺度があるのは不便なので、1961年国際純粋・応用物理学連合(IUPAP:International Union of Pure and Applied Physics)と国際純正・応用化学連合(IUPAC:International Union of Pure and Applied Chemistry)は、統一原子量12Cを採用することとした。

[小泉袈裟勝・今井秀孝 2015年4月17日]

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世界大百科事典(旧版)内の統一原子質量単位の言及

【原子質量単位】より

…1960年以後,原子量の表し方は,炭素(原子記号C)の同位体の一つである12Cを基準とする(すなわち12Cの原子量を正確に12とする)方式に統一されたので,原子質量単位も〈12C原子1個の質量の1/12〉と定義されることになった。この新しい定義によるものを統一原子質量単位と呼ぶことがある。初めに示した近似値は,アボガドロ数に関する近年の実験結果を総合し,上記の新しい定義に即してまとめた値である。…

※「統一原子質量単位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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