経費膨張の原則(読み)けいひぼうちょうのげんそく

百科事典マイペディア 「経費膨張の原則」の意味・わかりやすい解説

経費膨張の原則【けいひぼうちょうのげんそく】

19世紀以降の国家を分析すると,近代化に伴って政府の活動範囲の拡大化・複雑化が避けられず,貨幣価値変動を修正して人口国民所得増加率と対比しても,経費膨張傾向にあるという原則。この膨張は軍事費・産業助成費・社会政策費・植民地経営費・公債費などの増加によるもので,第1次大戦前に実証されている。現代資本主義のもとでも,これらは量的に増大するだけでなく,質的にも複雑化し,なかでも社会政策費や軍事費に関する諸経費は,この原則の貫徹を裏づけている。
→関連項目軍事費ワーグナー

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android