経済政策保険(読み)ケイザイセイサクホケン

デジタル大辞泉 「経済政策保険」の意味・読み・例文・類語

けいざいせいさく‐ほけん【経済政策保険】

特定産業保護育成などの国策に沿った保険商品。森林国営保険輸出保険中小企業信用保険などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済政策保険」の意味・わかりやすい解説

経済政策保険
けいざいせいさくほけん

保険の分類の一つ。広義には,国家 (政府) またはこれに準じる機関,団体などが,なんらかの社会的,経済的,政治的意図をもって,みずから直接あるいは間接にその管理,運営にたずさわるか,財政的援助を与える保険。この保険は内容の差異,程度の相違こそあるが,政策的意図をもって直接の営利目的としない非営利保険として行われる。政策目的の多様化,複雑化に伴って各種政策目的が錯綜しているので単純に分類することはできないが,(1) 社会政策,社会保障政策のための社会保険,(2) 農業工業商業貿易,交通政策のための産業振興保険 (狭義経済政策保険) ,(3) 一般的福祉,公共福祉政策のための国民福祉関連保険に大別できる。 (1) に属するものには健康保険,年金保険,雇用保険,労働者災害補償保険 (労災保険) があり,これらはさらに固有のいくつかの制度から構成されている。 (2) に属するものとしては農業共済再保険,農業信用保険,漁船再保険,漁業共済保険,森林保険機械類信用保険,中小企業信用保険,輸出保険,原子力損害賠償補償 (実質的には再保険的機能を果している。→原子力保険 ) などがある。 (3) に属するものには簡易生命保険預金保険自動車損害賠償責任再保険住宅融資保険,地震再保険などがある。広義の経済政策保険は,民営原則として営利を目的とする私的保険に対して,公的保険とも呼ばれる。

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保険基礎用語集 「経済政策保険」の解説

経済政策保険

国家の政策上、特定の産業の維持、育成や特定の経済政策を推進したりするための手段に用いられる保険でを指します。森林国営保険、輸出保険、中小企業信用保険および機械類信用保険といったものがあります。

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世界大百科事典(旧版)内の経済政策保険の言及

【公保険・私保険】より

…すなわち,国,その他公共団体の社会政策,経済政策など政策実現の手段として営まれる保険が公保険,それ以外のものが私保険と分類される。公保険は政策保険ともいわれ,さらに社会保険と経済政策保険に大別される。社会保険は,社会政策的見地から実施される保険で,健康保険(組合管掌健康保険および政府管掌健康保険),国民健康保険,厚生年金保険,労災保険,雇用保険などがある。…

※「経済政策保険」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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