精選版 日本国語大辞典 「経歴」の意味・読み・例文・類語
けい‐れき【経歴】
〘名〙
① (━する) 歳月が過ぎること。年月が経過すること。
※浄業和讚(995‐1335)上「地涌礼讚するあひだ、五十小劫経歴し、久遠成道(くおんじゃうだう)きくときに、利益供養希有(けう)ならむ」 〔漢書‐東方朔伝〕
② (━する) いろいろなところをめぐり歩くこと。遍歴。
※東寺百合文書‐に・文安二年(1445)一二月一一日・氏名未詳契状「為私廻内外経歴、不可等閑存候」
※胡瓜遣(1872)〈仮名垣魯文〉初「劇を出て金龍山内を経歴(ケイレキ)して、花やしきの楽眼窟で西洋目鏡の銅板を見たり」 〔古楽府‐善哉行〕
③ (━する) 実際に見聞し、また、試みること。経験すること。
※実隆公記‐明応八年(1499)五月三日「抑兼致朝臣子兼満叙爵事申請之処、六位事可令経歴之由被仰下」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八「一書を著はし、その経歴するところの事を述べたり」 〔南史‐王延之伝〕
④ 今までに経験して来た学業、仕事、身分、地位などの事柄。履歴。閲歴。
※中外抄(1137‐54)保延六年九月二九日「但先祖経歴事、若有漏脱歟」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「本篇に載る所は、悉皆(しっかい)作者自身の経歴(ケイレキ)なるべし」
[補注]古くは「きょうりゃく」または、「きょうれき」とも読んだ。
きょう‐りゃく キャウ‥【経歴】
〘名〙 =けいれき(経歴)〔色葉字類抄(1177‐81)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報