組積式構造(読み)そせきしきこうぞう(英語表記)masonry construction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「組積式構造」の意味・わかりやすい解説

組積式構造
そせきしきこうぞう
masonry construction

建築物の主体構造を,石,煉瓦コンクリートブロックなど,一定の大きさをもつ材料組合せ,積重ねて造り上げるもの。欧米などでは,古くからこの構造が用いられており,現在でも煉瓦造などは広く愛用されている。耐火性,耐久性に富んでいるが,地震に弱いため,日本ではあまり使用されず,コンクリートブロックを鉄筋で補強した補強コンクリートブロック造や,鉄筋コンクリート鉄骨などとの混用構造として用いられる場合が多い。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「組積式構造」の解説

そせきしきこうぞう【組積式構造】

石・煉瓦(れんが)・コンクリートブロックなどを積み上げて作る構造。耐火性は高いが、地震などの水平方向の力にもろく、自由な平面開口部はとりにくい。◇「メーソンリー」ともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「組積式構造」の意味・読み・例文・類語

そせきしき‐こうぞう ‥コウザウ【組積式構造】

〘名〙 建築で、石や煉瓦、コンクリートブロックなどの小さな素片を積み上げてつくる方式組積構造とも。組積造

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世界大百科事典 第2版 「組積式構造」の意味・わかりやすい解説

そせきしきこうぞう【組積式構造 masonry construction】

組積構造,組積造ともいう。架構式構造一体式構造に対するもので,一般には塊状の材料を積み上げて建物(壁体)を構成する方法をいう。歴史的な土ブロック,泥煉瓦(いずれも前6000~前5000年ころ。メソポタミア地方),日乾煉瓦(前5000~前4000年。エジプト)をはじめ,今日も用いられている石,焼成煉瓦やコンクリートブロックなどがその材料である。組積式を〈積み上げて構成する方法〉という点に共通性を見いだして考えれば校倉(あぜくら)造における校木(あぜき)なども含まれる。

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世界大百科事典内の組積式構造の言及

【建築構造】より

…架構式構造の用途はきわめて広く,小規模の住宅から大規模の高層建築,体育館などの大スパン構造のものまであらゆる建築に用いられる。(2)組積式構造 比較的小単位の部材を積み重ねて建物を構成する方法で,石造,煉瓦造,補強コンクリートブロック造などがこれに属する。校倉(あぜくら)式の木造も組積式構造である。…

【採光】より

…採光に必然的に伴う熱,空気,音などの要素が,機械的な環境制御にとっての外乱となることも多い。
[採光の歴史]
 構造上開口の取りにくい石や煉瓦の組積式構造が主体の西洋建築の発達の歴史は,壁体を荷重からいかに解放して採光を行うかのくふうの連続と見ることができる。古代エジプトの神殿建築の採光は,列柱の上部に設けられた高窓によって行われ,はめ込まれた石の格子が太陽光の入射量を調節していた。…

【煉瓦造建築】より

煉瓦を主要材料とした組積式構造を煉瓦構造(または煉瓦造)brick constructionといい,この構造による建築を煉瓦造建築と呼ぶ。 古代エジプトやメソポタミアでは,日乾煉瓦が主要な建築材料で,厚い壁を築き,ポプラやヤナギの幹を梁材とし,その上にむしろを敷き,土を塗って屋根とした。…

※「組積式構造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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