組手(読み)くみて

精選版 日本国語大辞典 「組手」の意味・読み・例文・類語

くみ‐て【組手】

〘名〙
① 組み打ちする人。取り組む相手。
平治(1220頃か)中「橘七五郎は、近国にならびなき大力なれば、組手なるべし」
木材の組み合わせた部分の称。また、その方法。
③ 組み糸を組むこと。また、その人。
※浮世草子・浮世親仁形気(1720)二「家の作法もみだれ糸の、組手(クミテ)の女どもも存在(ぞんざい)に成て」
空手(からて)拳法で、型の中にある攻防の技を実際に相対して行なう練習形式。間合い、勘、呼吸、目の訓練などを目的としたもの。
相撲で四つ身になること。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸、梅の爛熟時代「四つに組んで暫く呼吸を合はせる間、組手(クミテ)の差替などの小ぜり合があったが」
バレーボールで、両手を組み手首のあたりでボールを受けてパスすること。組手パス。

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デジタル大辞泉 「組手」の意味・読み・例文・類語

くみ‐て【組(み)手】

相撲で四つに組んだ状態。「組み手左四つ
柔道で、相手との組み方。特に、技を仕掛けるために相手の道着のえりそでをつかむこと。「組み手争い」
空手や拳法で、相手と攻防の技を一連かたに示して行う練習形式。間合いや呼吸、洞察力の訓練などを目的とする。
空手の競技種目の一。互いに突き・蹴り・打ちなどの攻撃を行い、その優劣を競うもの。個人戦と団体戦があり、審判採点によって勝敗が決まる。寸止めを原則とするが、相手に直接打撃を与える流派もある。→かた(形)8
建築で、部材と部材を組み合わせた部分。
組み打ちをする人。組みつく役。
「近国にならびなき大力なれば、―なるべし」〈古活字本平治・中〉
組糸を組むこと。また、組糸を組む人。
糸屋の―」〈浮・鬼一法眼虎の巻・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の組手の言及

【指物】より

…指物の基礎的手法は,すでに正倉院の木工においておおむね行われており,その伝統は現在にも引き継がれている。指物における基本的手法には,矧手(はぎて),端喰(はしばみ)(端嵌(はしばめ)),留(とめ),組手(くみて)などがある。矧手は主として所要の幅をうるための板材のはぎ合せ法で,芋付(いもつけ)(胴付矧(どうづけはぎ))と斜付(ななめつけ)は,ともに補強のために太枘(だぼ)あるいは空木(うつぎ),竹釘を挿入し,千切(ちぎり)を嵌入することもある。…

※「組手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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