細菌性(化膿性)髄膜炎(読み)さいきんせいかのうせいずいまくえん(英語表記)Bacterial Meningitis

家庭医学館 「細菌性(化膿性)髄膜炎」の解説

さいきんせいかのうせいずいまくえん【細菌性(化膿性)髄膜炎 Bacterial Meningitis】

[どんな病気か]
 細菌感染による髄膜炎です。おもな原因菌は、肺炎球菌(はいえんきゅうきん)、髄膜炎菌(ずいまくえんきん)、インフルエンザ菌、ブドウ球菌(きゅうきん)、大腸菌(だいちょうきん)などで、重篤(じゅうとく)な病気です。
 中耳炎(ちゅうじえん)、副鼻腔炎(ふくびくうえん)、肺炎(はいえん)、心内膜炎(しんないまくえん)の原因となっている細菌が、脳脊髄膜に直接、感染したり、血液中に細菌が入って敗血症(はいけつしょう)となったりしておこります。頭部外傷後に、傷口から細菌が侵入してもおこります。
 がん、白血病(はっけつびょう)、心臓病、糖尿病(とうにょうびょう)、腎臓病(じんぞうびょう)などで体力が衰え、免疫機能(めんえききのう)が低下しているとおこりやすくなります。
[症状]
 発熱と寒けで始まり、頭痛がひどく、吐(は)き気(け)や嘔吐(おうと)がおこり、徐々にくびの後ろが張ってきてかたくなります(項部硬直(こうぶこうちょく))。その後、意識の低下やけいれんがおこることもあります。
[治療]
 腰に針を刺して、脳脊髄液を採取して(腰椎穿刺(ようついせんし))、細菌の種類を調べ、その細菌にもっともよく効く抗生物質を使います。
 髄膜炎をおこす原因となった病気(基礎疾患)を見つけて、同時に治療する必要があります。
 嘔吐が強く、食事がとれない場合は、点滴をして栄養や水分を補い、高熱のときは、からだを冷やし、坐薬(ざやく)を使って熱を下げます。また、頭痛や全身の痛みには、鎮痛薬が使われます。
 治療の開始が早く、細菌に対して抗生物質がよく効けば、後遺症を残さずに治すことができます。
 がんや心臓病などの重篤な基礎疾患があると、予後はよくありません。

出典 小学館家庭医学館について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android