細君(中国、前漢)(読み)さいくん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「細君(中国、前漢)」の意味・わかりやすい解説

細君(中国、前漢)
さいくん

生没年不詳。中国、前漢武帝(在位前141~前87)のとき、匈奴(きょうど)対策のために、天山山脈北方から甘粛(かんしゅく)省西部にかけて勢力を張っていた烏孫(うそん)の昆莫(こんばく)(王)のもとに、武帝の皇女として嫁いだ江都王劉建(りゅうけん)の娘。嫁してのち、王は老齢で言語も通ぜず、悲しんで「われを嫁す天の一方……願わくば黄鵠(こうこく)(大きな鳥)となりて故郷に帰らん」と歌ったという(『漢書』「西域伝」)。のち王の孫と再婚し一女を産んだが、降嫁して4、5年で他界したと伝えられる。

尾形 勇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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