精選版 日本国語大辞典 「細やか」の意味・読み・例文・類語
ささ‐やか【細やか】
〘形動〙 (近世は「さざやか」とも)
① 形がいかにも小さく好ましく見えるさま。小さくまとまってこぢんまりとしているさま。細かなさま。
※宇津保(970‐999頃)国譲上「中納言殿は、いとささやかになれたる人のらうらうじきなり」
※徒然草(1331頃)一三九「秋の草は〈略〉いづれもいと高からず、ささやかなる墻(かき)に、繁からぬ、よし」
② きめが細かいさま。繊細なさま。
※浜松中納言(11C中)二「ゆるされありつる足も〈略〉いとあてはかに、かうばしう、手あたりもいといみじうささやかに」
③ おおげさでないさま。わずかなさま。形ばかりのさま。つつましいさま。
※夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「短冊を取り寄せたり、互に歌をよみかはしたりするやうな、ささやかな席が開けた」
※鳥獣戯話(1960‐62)〈花田清輝〉一「息子にも、ささやかながら、味わわせたいとおもったのであらう」
ほそ‐やか【細やか】
〘形動〙 (「やか」は接尾語)
① 物のかたち、人の肢体などがいかにもほっそりしているさま。
※彌勒上生経賛平安初期点(850頃)「世尊の指の爪は狭(ホソヤカニ)長かに」
② 量、勢いの小さいさま。声が小さく弱々しいさま。
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