紫電(読み)シデン

デジタル大辞泉 「紫電」の意味・読み・例文・類語

し‐でん【紫電】

紫色電光
鋭い目の光。また、研ぎ澄ました刃などの鋭い光。
日本海軍の迎撃用戦闘機。昭和17年(1942)末に1号機を完成。その後、改良機の紫電改が同19年に完成し、第二次大戦末期の本土防衛に活躍した。
[類語]いかずち鳴る神らい雷鳴雷電天雷急雷疾雷しつらい迅雷じんらい霹靂へきれき雷公遠雷春雷界雷熱雷落雷稲妻いなずま稲光いなびかり電光

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精選版 日本国語大辞典 「紫電」の意味・読み・例文・類語

し‐でん【紫電】

〘名〙
① 紫色をした電光。〔いろは字(1559)〕
※此一戦(1911)〈水野広徳〉六「紫電(シデン)鋭く敵の一艦に閃くと同時に、夏雲の如き白煙一団は岫々(しうしう)として敵の艦側に簇立した」 〔陳琳‐武軍賦〕
② 鋭い目の光。また、とぎすました刃などの鋭い光。
※本朝文粋(1060頃)一〇・梅近夜香多詩序〈橘正通〉「将軍在座。遶腰者紫電青霜」 〔李白‐登広武古戦場懐古詩〕
③ 旧日本海軍の戦闘機名。昭和一七年(一九四二)一二月初飛行。一〇〇七機生産。その後改良を加えたものを「紫電改」と呼んだ。旧海軍で実用された最後の戦闘機。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紫電」の意味・わかりやすい解説

紫電
しでん

日本海軍の水上戦闘機から改造された局地戦闘機。 1942年川西航空機が試作機を製作,紫電 11型として制式採用された。自動空戦フラップの採用により,空戦性能は優秀であった。しかし故障が多かったため,中翼型の紫電を低翼に改造,また脚柱を短くして,1943年に 21型,いわゆる紫電改がつくられ,アメリカ軍の日本本土空襲に対する迎撃機として使われた。とりわけ源田実大佐率いる第 343航空隊が,1945年3月 15日,松山上空に侵入してきたアメリカ軍機約 60機に対し,紫電と紫電改約 60機をもって迎撃し,多数を撃墜したことは有名。紫電は,単発,乗員1,全長 8.94m,総重量 3800kg,最大速度時速 585km,航続距離 1430km。武装 20mm機関砲4,250kg爆弾2。紫電改は,単発,乗員1,全長 9.3m,全備重量 3900kg,最大速度時速 595km,航続距離 1720km。武装 20mm機関砲4,250kg爆弾2。合計生産数約 1400機。

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普及版 字通 「紫電」の読み・字形・画数・意味

【紫電】しでん

紫色の電光。稲妻。また、鋭く美しいものを形容する。唐・王勃王閣の序〕鳳は孟學士の詞宗、紫電霜は王將軍の武庫

字通「紫」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「紫電」の解説

紫電

第2次世界大戦時の日本海軍の局地戦闘機。初飛行は1942年。二一型以降を特に「紫電改」という。連合軍によるコードネームは「ジョージ」。

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