紫陽花(読み)あじさい

精選版 日本国語大辞典 「紫陽花」の意味・読み・例文・類語

あじさい あぢさゐ【紫陽花】

〘名〙
ユキノシタ科の落葉低木。ガクアジサイを母種とする園芸品種。茎は高さ一・五メートルほどで根元から束生する。葉は対生し大形の卵形か広楕円形で先がとがり、縁に鋸歯(きょし)をもつ。夏、球状の花序をつけ、ここに花弁状のがく片を四または五枚もつ小さな花が集まり咲く。がく片は淡青紫色だが、土質や開花後の日数等により青が濃くなったり、赤が強くなったりする。茎は材が堅く、木釘、楊子をつくり、花は解熱剤、葉は瘧(おこり)特効があるという。あずさい。しちだんか。てまりばな。ハイドランジア。《季・夏》
万葉(8C後)二〇・四四四八「安治佐為(アヂサヰ)の八重咲く如く彌(や)つ代にもいませわが背子見つつ偲(しの)はむ」
俳諧・焦尾琴(1701)風「あぢさいや鵜の目かへしの山一つ〈梅扇〉」
② ユキノシタ科アジサイ属の総称。ガクアジサイ、ヤマアジサイ、ハマアジサイ、タマアジサイコアジサイツルアジサイなどを含む。
紺屋で、藍建ての際、藍びんに赤銅色となって浮く藍の泡を①に見立てていう語。
※雑俳・柳多留‐一五(1780)「瓶の蓋明けてあぢさいかき廻し」
[補注]「あじ(あぢ)」は「あつ」で集まること、「さい」は真藍(さあい)の約で、青い花がかたまって咲く様子から名付けられたと思われる。

あじさえ あぢさゑ【紫陽花】

〘名〙 「あじさい(紫陽花)」の変化した語。
拾遺愚草(1216‐32頃)上「あちさえの下葉(したば)にすだく蛍をばよひるのかずのそふかとぞ見る」

しよう‐か シヤウクヮ【紫陽花】

〘名〙 植物「あじさい(紫陽花)」の慣用漢名。

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デジタル大辞泉 「紫陽花」の意味・読み・例文・類語

あじさい〔あぢさゐ〕【紫花】

ガクアジサイから日本で改良された園芸品種。高さ1~1.5メートルの落葉低木。葉は大きな楕円形。初夏淡青色から淡紫紅色に変わるがくのある小花が、球状に集まって咲く。庭木にする。八仙花はっせんか。しちへんげ。しようか。 夏》「―や藪を小庭の別座敷/芭蕉
[類語]額紫陽花

しよう‐か〔シヤウクワ〕【紫陽花】

アジサイの別名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「紫陽花」の解説

紫陽花 (アジサイ)

学名:Hydrangea macrophylla var.otakusa
植物。ユキノシタ科の落葉低木,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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