索然(読み)さくぜん

精選版 日本国語大辞典 「索然」の意味・読み・例文・類語

さく‐ぜん【索然】

〘形動タリ〙
① 集まっていた人々が散り散りになるさま。また、栄えていたものがなくなるさま。
柳橋新誌(1874)〈成島柳北〉初「今は乃ち索然として踪無く」 〔晉書‐羊祜〕
② 空虚なさま。趣がないさま。
四河入海(17C前)二五「密州の大守でをる我が処の斎厨は索然として不春ぞ」
草枕(1906)〈夏目漱石〉六「どうも、自分が今しがた入った神境を写したものとすると、索然として物足りない」

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デジタル大辞泉 「索然」の意味・読み・例文・類語

さく‐ぜん【索然】

[ト・タル][文][形動タリ]心ひかれるものがなくて興ざめするさま。空虚なさま。
迂闊うかつな彼は不思議そうな眼を開いて、―たる彼の新居を見廻した」〈漱石道草
[類語]散文的素っ気ない無機的無風流味気あじけないつまらない興醒きょうざ興醒きょうざまし不興しらけるつや消し色消ししらじらしいぞっとしない鼻白む無味無味乾燥無趣味没趣味砂を噛むよう

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普及版 字通 「索然」の読み・字形・画数・意味

【索然】さくぜん

空しく寂しい。晋・陸機〔逝の賦〕余年方(まさ)に四十にして、懿親戚屬、多く存寡(すく)なし。~或いは曾(かつ)て共に一塗にび、同(とも)に一室に宴せしも、十年の外、索然として已に盡きたり。是(ここ)を以て哀しみを思ふ。哀しみ知るべきなり。

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