素妙(読み)そみょう

朝日日本歴史人物事典 「素妙」の解説

素妙

生年生没年不詳
鎌倉後期の曹洞宗の尼でその支援者。肥後国古保里荘(熊本県宇土市)の領主古保里越前守の娘とする説と,同国飽田郡河尻村(熊本市)の地頭で,大慈寺の檀越としても知られる河尻泰明の妹とする説がある。文永4(1267)年に宋から帰国して博多聖福寺に居住していた寒巌義尹に師事し,古保里荘内に義尹開山として如来寺を建立したという。同じころ,義尹の高弟仁叟浄煕を招いて,同荘内に報恩寺(のち,現在の熊本市内に移転)を建立したとも伝えるが,両寺の草創伝承は混同されている形跡があり,後者については確実ではない。<参考文献>『大慈寺記』『肥後国誌』『新撰事績通考』,曹洞尼僧史編纂会編『曹洞宗尼僧史』

(牛山佳幸)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「素妙」の解説

素妙 そみょう

?-? 鎌倉時代の尼僧。
曹洞(そうとう)宗。筑前(ちくぜん)(福岡県)聖福寺の寒巌義尹(かんがん-ぎいん)に師事し,文永6年(1269)義尹を開山(かいさん)として郷里肥後(熊本県)に如来(にょらい)寺を建立した。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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