紛失(読み)ふんしつ

精選版 日本国語大辞典 「紛失」の意味・読み・例文・類語

ふん‐しつ【紛失】

〘名〙 (古くは「ふんじつ」とも)
① 物がまぎれてなくなること。まぎらし見失うこと。失うこと。
※金比羅宮文書‐天元三年(980)二月二日・某寺資財帳「不修治寺家、有世間不階、悉以寺物令紛失」
浄瑠璃・狭夜衣鴛鴦剣翅(1739)一「かっせんの其ばにてふんじつせしか取りのこせしか」
② 物忘れすること。忘れて誤ること。
仮名草子・よだれかけ(1665)二「いささかの紛失は、わが年にもゆづり給へといへば」
③ 人が姿を消すこと。失踪。また、ぬけ出して逃げること。脱走
園太暦‐観応元年(1350)一二月九日「昨日凶徒入宇治、不在所、紛失境内云々」

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デジタル大辞泉 「紛失」の意味・読み・例文・類語

ふん‐しつ【紛失】

[名](スル)《古くは「ふんじつ」とも》
物がまぎれてなくなること。また、なくすこと。「重要書類が紛失する」「入館証を紛失する」
抜け出して逃げること。
「その島を―して来ればこそ、おれが育った土地へも足踏みならず」〈伎・浮名横櫛
[類語]失う遺失散逸滅失流失消失消滅消散忘失雲散霧散雲散霧消離散四散飛散立ち消え消える失せる散る失する無くなる無くす無くする無くなす喪失する亡失する落とす

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普及版 字通 「紛失」の読み・字形・画数・意味

【紛失】ふんしつ

まぎれて失う。

字通「紛」の項目を見る

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