純粋(読み)ジュンスイ

デジタル大辞泉 「純粋」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐すい【純粋】

[名・形動]
まじりけのないこと。雑多なものがまじっていないこと。また、そのさま。「純粋な(の)アルコール」「純粋な(の)秋田犬
邪念私欲のないこと。気持ちに打算や掛け引きのないこと。また、そのさま。「少年の頃の純粋な気持ち」「純粋な愛」
そのことだけをいちずに行うこと。ひたむきなこと。また、そのさま。「学問に対する純粋情熱」「純粋真理を追い求める」
哲学で、外的、偶然的なものを含まず、それ自体の内的な普遍性・必然性をさす。
学問で、応用を考えず理論だけを追究する分野純粋数学・純粋法学など。
[派生]じゅんすいさ[名]
[類語](1純正純一純良至純じゅん無垢むく無雑むざつ真正単一純化プレーンっ粋生一本生え抜きちゃきちゃき単純シンプル質素簡素(連体修飾語として)純然たる醇乎じゅんこたる/(2つましい地味つづまやかつつましいつつましやか質実清貧素朴純朴朴訥ぼくとつ質朴真率実直実体じってい朴直篤実まじめ生まじめ大まじめ真摯愚直無欲純真無心無垢単純シンプル無我無私滅私虚心虚心坦懐無念無想プラトニックナイーブ純情清楚清純純潔純真無垢貞操みさお

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「純粋」の意味・読み・例文・類語

じゅん‐すい【純粋】

〘名〙 (形動)
① まじりけがないこと。雑多なものがまじっていないで、ととのっていること。また、そのさま。
※宝覚真空禅師録(1346)乾・道号・玉岡「石蔵淳粋弄横機、三献何須弁是非
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「彼は純粋の黒猫である」 〔易経‐乾〕
② 他の事は考えないで、その事だけをいちずに思うこと。また、そのさま。専一。ひたすら。
③ 最も大切なところ。真正な事。また、そのさま。精髄
和俗童子訓(1710)三「尚書の内、純粋(ジュンスイ)なる数篇」
④ 完全であること。完備していること。〔戦国策‐秦策下・昭襄王下〕
⑤ 邪念や私欲のためにするところがまったくないこと。また、そのさま。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉五「たまに正直な純粋な人を見ると」
⑥ 学問上、経験的内容や応用を含まずに、形式だけを取扱う理論的部門。たとえば、純粋数学のたぐい。

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普及版 字通 「純粋」の読み・字形・画数・意味

【純粋】じゆんすい

純一無雑欠点がない。〔楚辞離騒〕昔、三后の純粹なる 固(まこと)に衆の在る

字通「純」の項目を見る

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