紅の涙(読み)クレナイノナミダ

デジタル大辞泉 「紅の涙」の意味・読み・例文・類語

くれない‐の‐なみだ〔くれなゐ‐〕【紅の涙】

《「紅涙こうるい」を訓読みにした語》
嘆き悲しんで出す涙。血の涙。
七人、―を流して惜しむ」〈宇津保・俊蔭〉
感動のあまり出す涙。感涙
もろこしの人々もこの世の人も聞くかぎり、―を流して」〈浜松・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「紅の涙」の意味・読み・例文・類語

くれない【紅】 の 涙(なみだ)

① 悲しみのあまり流す涙。血の涙。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「あしたに見て、ゆふべの遅なはるほどだに、紅のなみだをおとすに」
② 深く感動して流す涙。感涙。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「藤英、くれなゐのなみだを流して」
③ (「紅涙」の訓読み) 女性の流す涙。
平家(13C前)八「女房達つきせぬ物おもひに紅の涙せきあへねば、翠の黛みだれつつ」

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