紀全子(読み)きの ぜんし

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「紀全子」の解説

紀全子 きの-ぜんし

?-? 平安時代前期の女官
賜姓により山村姓から紀姓になる。源蔭と結婚して益(まさる)をもうけ,貞観(じょうがん)10年(868)貞明(さだあきら)親王(のちの陽成(ようぜい)天皇)の乳母となる。「古今和歌集」「後撰和歌集」に和歌が2首ずつみえる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「紀全子」の解説

紀全子

生年生没年不詳
平安前期の女官。もと山村姓。従五位下。源蔭と結婚し益を出産,このころ陽成天皇の乳母になったと考えられる。元慶7(883)年,息子の益が養君陽成に内裏で格殺され,これが原因で陽成は退位。<参考文献>角田文衛「陽成天皇の退位について」(『王朝映像』)

(服藤早苗)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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