糸車(読み)イトグルマ

デジタル大辞泉 「糸車」の意味・読み・例文・類語

いと‐ぐるま【糸車】

糸繰り車」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「糸車」の意味・読み・例文・類語

いと‐ぐるま【糸車】

〘名〙
御堂関白記‐寛弘七年(1010)一一月二七日「用糸車、上達部・殿上人有饗」
※雑俳・すがたなぞ(1703)「糸車びんぼびんぼと夜を更かす」
能楽の作り物。「黒塚(安達原)」で使う小道具で、②を小ぶりに模したもの。わくかせわ。
※雑俳・柳多留‐九(1774)「こわそうに男の廻すいとくるま」
④ イトグルマガイ科の巻貝房総半島から九州の水深二〇~三〇〇メートルの砂底にすむ。殻高約七センチメートルで、塔形の螺層(らそう)と長い水管をもつ。イトグルマガイ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「糸車」の意味・わかりやすい解説

糸車
いとぐるま

紡車(ぼうしゃ)、糸繰車(いとくりぐるま)、糸撚(いとより)車、早糸(はやいと)車とも称し、手で車を回転させながら、糸を紡いだり撚りかけをする道具。また緯(よこ)糸を管(くだ)に巻く管巻車(くだまきぐるま)(緯巻(よこまき)車)にも使用する。構造は一方の柱に竹製(木製のものもある)の大きな車を取り付け、他方には紡錘(つむ)を装置し、これを早糸で連結しておく。車を手で回転させながら短繊維の場合では牽引(けんいん)したのち撚りかけをし、誘導する手の位置を紡錘の軸と直角にして巻き取る。準長繊維(靭皮(じんぴ)繊維)では、すでに績(う)んであるから、糸車では撚りかけをし紡錘に巻き取るだけである。この車の大きさには大小2種あり、大きいものは麻、小さいものは木綿に使用したが、現在では混用している。地域的特徴は、関東地方のものは木製のものが多く、近畿地方のものは後ろ足がついて糸車全体が前方に傾斜している。中国地方以西のものは車が大きく、紡錘との距離が短い。

[角山幸洋]

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動植物名よみかた辞典 普及版 「糸車」の解説

糸車 (イトグルマ)

動物。貝

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世界大百科事典(旧版)内の糸車の言及

【織物】より

…この方法を今も踏襲しているのが小千谷縮(おぢやちぢみ)の撚糸作りで,手代木を使い,飯茶碗を〈うけ〉に応用している。 この方法よりやや進歩したものが,機械による精紡機の発明までながく世界中で用いられてきた糸車あるいは糸繰車である。これは一方に大きな車を取りつけ,他方に錘を装置し,それをベルトで連結し,車を回すことによって錘をはやく回転させるように作った道具で,糸はこの回転している錘に,撚りがかかりながら巻き取られるのである。…

※「糸車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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