糸毛（読み）イトゲ

デジタル大辞泉

いと‐げ【糸毛】

１ 「糸毛の車」の略。
２ 「糸威いとおどし」に同じ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いと‐げ【糸毛】

〘名〙

① 「いとげ（糸毛）の車」の略。

※宇津保（970‐999頃）あて宮「かくて、御車二十、いとげ六に、こがねづくり十に」

② ＝いとおどし（糸威）

※曾我物語（南北朝頃）九「いとけの御はらまきに、御住代の鬚切ぬき」

③ 歌舞伎の鬘(かつら)で、長く垂らすために、糸を交えて髪の毛に見せたもの。切禿(きりかむろ)の鬘などに用いる。

※歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚（1809）六立「千人禿の形(なり)、糸毛(イトゲ)の鬘、袖無し羽織にて」

出典　精選版 日本国語大辞典