糠に釘(読み)ぬかにくぎ

精選版 日本国語大辞典 「糠に釘」の意味・読み・例文・類語

ぬか【糠】 に=釘(くぎ)[=釘(くぎ)(う)つ]

手ごたえがなく、ききめがないことのたとえにいう。豆腐かすがい。沼に杭(くい)
※俳諧・大海集(1672)三「糠に釘うつ木かきかぬ郭公〈頼治〉」

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デジタル大辞泉 「糠に釘」の意味・読み・例文・類語

ぬかくぎ

ぬかに釘を打つこと。なんの手ごたえもなく、効き目のないことのたとえ。暖簾のれん腕押し。ぬかくぎ。「いくら注意しても糠に釘だ」
[類語]馬耳東風馬の耳に風馬の耳に念仏犬に論語牛に経文牛に対してことを弾ず兎に祭文豆腐にかすがい暖簾のれんに腕押し石にきゅう石に針沢庵たくあんのおもしに茶袋汽車の後押し網の目に風とまらず籠で水を汲む屋上おくを架す屋下に屋を架す月夜に提灯ちょうちん闇の夜の錦泥田を棒で打つ竹藪に矢を射るよう死に馬にはり氷にちりば泥裡でいり土塊どかいを洗う権兵衛が種蒔きゃからすがほじくる骨折り損の草臥くたびもう

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ことわざを知る辞典 「糠に釘」の解説

糠に釘

力をいれて意見忠告をしたり、強く抗議しても、まるで手ごたえや効果がないことのたとえ。

[使用例] 石炭が来さえすれば、石炭統制会社もすぐに復興するわけだ。しかし部長は不意に思案黙考に移っていき、こちらが何と言っても糠に釘である[井伏鱒二黒い雨|1965~66]

[解説] 上方のいろはかるたにも採用され、広く知られていました。同じ発想の「豆腐にかすがい」に続けて使われることもあります。

[類句] 豆腐に鎹暖簾に腕押し

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