精選版 日本国語大辞典 「粟餠」の意味・読み・例文・類語 あわ‐もち あは‥【粟餠】 [1] 〘名〙 もちあわを蒸してついた餠。近世、江戸郊外目黒不動堂前で売ったものが名物であった。もとは本物の粟の餠であったが、享保(一七一六‐三六)頃より、普通の餠を粟の色に染めたものとなった。※異制庭訓往来(14C中)「粟餠、黍餠、松餠、薇餠、荼(とち)餠、甘鉢」※風俗画報‐一五二号(1897)飲食門「赤羽根橋際の粟餠 佃島の佃煮」[2] 歌舞伎所作事。常磐津。三世桜田治助作詞。四世岸沢式佐作曲か。西川芳次郎(初世花柳寿輔)振付。本名題「花競俄曲突(はなのほかにわかのきょくづき)」。弘化二年(一八四五)江戸中村座初演。江戸時代の市井風俗である粟餠屋の曲づきを舞踊化したもの。黄金餠(こがねもち)。別に二世河竹新七の作がある。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報