粒界偏析(読み)りゅうかいへんせき

世界大百科事典(旧版)内の粒界偏析の言及

【結晶粒界】より

…方位差が大きいときには,結晶粒の間の対応のよい領域と悪い領域の周期的配列から成り立っていると考えられている。
[材料の性質に及ぼす結晶粒界の効果]
 結晶粒界は,そこでの原子配列の乱れに対応して,原子の移動が起こりやすい(粒界拡散),異種の原子が集まりやすい(粒界偏析),別の相が析出しやすい(粒界析出)などという性質をもっている。耐熱材料として問題となるような高温では,結晶粒界での粘性的すべりや粒界拡散のため,結晶粒径が大きいほど材料の強度は低い。…

【偏析】より

…前者の一つは,溶質原子の一部が母相中の転位や結晶粒界などの欠陥部に凝集すると,それぞれ転位のひずみエネルギーや結晶粒界エネルギーなどが減少する場合に,安定に生じる偏析であり,とくに平衡偏析と呼ばれる。また,Fe‐P,Fe‐S系のように母相中への溶質の溶解度がきわめて小さい合金系では,溶質原子の含有量が少ない場合,母相の初晶の粒界部にのみ溶質が晶出し,粒界偏析が生じる。後者の型の偏析は,溶質原子の母相中への溶解度が母相の状態(液相であるか固相であるか)や温度によって変化し,かつ溶質原子の拡散が十分に速く起こらない場合に生じるものである。…

※「粒界偏析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」