粉(漢字)

普及版 字通 「粉(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
10画

[字音] フン
[字訓] こな・おしろい・いろどる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(分)(ふん)。に分散するものの意がある。〔説文〕七上に「面に(つ)くるなり」とあり、白粉(おしろい)をいう。古くは米粉を用い、その光沢あるものを英粉、丁香(じんこう)を加えたものを香粉という。頰紅には粉(ていふん)があった。〔韓非子、顕学〕に「脂澤(ふんたい)を用ふるときは、則ち其の初に倍す」とみえ、古くから脂粉の類を用いた。六朝期には鉛華を用い、曹植の〔洛神の賦〕にはその語がある。化粧は古くは神事に用い、面と同じ機能をもつものであった。外面を飾り欺くことを粉飾という。

[訓義]
1. こな、米のこな、くだく。
2. おしろい、鉛粉。
3. いろどる、つける、ぬる、かざる。
4. しっくい、ぬりこむ。
5. しろい。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 己米乃佐(こめのさき) 〔和名抄 古(こ)、之路岐毛能(しろきもの) 〔名義抄 シラク・シロキモノ/白 ハフニ 〔字鏡集〕 クダク・ハコネ・シロイモノ・シロク・シラク・コ

[熟語]
粉艶・粉花・粉絵・粉潰・粉・粉汗・粉戯・粉金・粉頸・粉臉・粉紅・粉香・粉毫・粉骨・粉砕・粉彩・粉糸・粉刺・粉・粉錫・粉省・粉牆・粉飾・粉色・粉身粉塵・粉黛粉態・粉題・粉沢・粉団・粉・粉蝶・粉・粉頭・粉白・粉板・粉鼻・粉沸・粉筆・粉米・粉壁・粉墨・粉本・粉末・粉面・粉粉薬・粉綾・粉緑粉奩粉郎
[下接語]
鉛粉・艶粉・花粉・灰粉・粉・金粉・桂粉・軽粉・胡粉・紅粉・香粉・黄粉・穀粉・骨粉・細粉・散粉・施粉・脂粉・膩粉・塵粉・精粉・製粉・石粉・雪粉・丹粉・著粉・澱粉・白粉・麦粉・傅粉・米粉・臉粉

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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