米原(読み)まいばら

精選版 日本国語大辞典 「米原」の意味・読み・例文・類語

まいばら【米原】

滋賀県東部の地名。琵琶湖の東岸にある。江戸時代北陸街道鳥居本と長浜との間の宿駅で、長浜・松原とともに彦根三港として栄えた。東海道新幹線東海道本線北陸本線との分岐点。平成一七年(二〇〇五)市制。

よねはら【米原】

姓氏の一つ。

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デジタル大辞泉 「米原」の意味・読み・例文・類語

まいばら【米原】

滋賀県北東部にある市。琵琶湖東岸から伊吹山地に広がる。太平洋側と日本海側とを結ぶ鉄道・道路交通の要地。平成17年(2005)2月に山東町伊吹町米原まいはら町が合併して成立。同年10月に近江町を編入。人口4.0万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「米原」の意味・わかりやすい解説

米原[市] (まいばら)

滋賀県北東部の市。2005年2月伊吹(いぶき),山東(さんとう),米原(まいはら)の3町が合体して成立,さらに05年10月近江(おうみ)町を編入した。人口4万0060(2010)。

米原市北部の旧町。旧坂田郡所属。1971年町制。人口5959(2000)。東部にそびえる伊吹山を境に岐阜県と接する。町域は伊吹山の南・西斜面と姉川の峡谷部からなり,山林が6割を占める農山村である。1952年にセメント工場が進出し,伊吹山で石灰岩の採掘が進められた。セメントや繊維,木材などの工場が多く,製造業が主産業である。農業は稲作を主とするが,零細経営が多く,兼業化が著しい。春照,藤川の両集落は近世には北国脇往還宿場町として栄え,本陣,問屋などが置かれた。近年,伊吹山を中心とした観光開発が進み,スキー場や奥伊吹青少年旅行村などがある。

米原市西部の旧町。旧坂田郡所属。人口9392(2000)。東部は伊吹山地の西縁をなし,中部は洪積台地,琵琶湖に面する西部は沖積低地となっている。天野川下流域にあたり,水田が広がる。JR東海道本線米原駅に近接し,JR北陸本線,国道8号線,21号線,北陸自動車道が縦貫する。主産業は稲作を中心とした農業であるが,近年兼業化が著しい。特産品に真綿があり,全国生産量の6割を占めたこともあったが,近年は寝具製造業に転じている。ほかに蚊帳製造も行われる。古代の豪族息長(おきなが)氏の本拠地とされ,山津照神社古墳,墓町古墳などの古墳が多い。また戦国時代に一向一揆の拠点となった福田寺,天然記念物指定の息長ゲンジボタル発生地もある。

米原市中部の旧町。旧坂田郡所属。人口1万3421(2000)。北部は伊吹山の南麓,南部は鈴鹿山脈霊仙(りようぜん)山の北麓にあたり,関ヶ原狭隘部に位置する。中央部を天野川が西流し,北境を姉川が流れる。中心の柏原は中世は東山道,近世は中山道の宿場町として栄えた(柏原宿)。JR東海道本線,国道21号線などが通るため,近隣都市への通勤者が多い。鎌倉幕府討伐のため後醍醐天皇に従い,元弘の乱を起こした北畠具行の墓や清滝寺京極家墓所など史跡が多く,特別天然記念物のゲンジボタル発生地もある。
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米原市南部の旧町で,琵琶湖東岸に位置する。旧坂田郡所属。人口1万2479(2000)。古くから交通の要衝で,天野川河口の朝妻は古代から中世にかけて琵琶湖水運の要港であり,米原は北国街道の,東部の醒井(さめがい)は中山道の宿場町であった。また1603年(慶長8)に開かれた米原湊は松原湊(彦根市),長浜湊とともに〈彦根藩三湊〉の一つとしてにぎわい,朝妻にとって代わった。JRの米原(まいばら)駅は東海道新幹線,東海道本線,北陸本線,近江鉄道の乗換駅であり,名神高速道路と北陸自動車道,国道8号線と21号線が町内で分岐するなど,現在も県東部の交通中心として重要な位置を占めている。琵琶湖につながっていた入江内湖は1944年から干拓工事が始められ,47年末に305haの農地が完成,104戸が入植した。丹生(にゆう)川上流の醒井峡谷(名)と県立醒井養鱒場の一帯は絶好のハイキングコース。筑摩(ちくま)神社の春の例祭は,紙の鍋をかぶった少女と女帯をかついだ少年が行列する鍋冠(なべかむり)祭の奇祭で知られる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「米原」の意味・わかりやすい解説

米原
まいはら

滋賀県東部、坂田郡にあった旧町名(米原町(ちょう))。現在は米原(まいばら)市の南部を占める地域。旧米原町は、1923年(大正12)入江(いりえ)村が町制施行し、同時に米原町に改称。1956年(昭和31)醒井(さめがい)、息郷(おきさと)の2村と合併。2005年(平成17)山東(さんとう)、伊吹(いぶき)の2町と合併して米原市(読み方は「まいはら」から一般的な「まいばら」に変更)となった。旧町域の東部は霊仙山(りょうぜんざん)などの山岳地であるが、西部は天野(あまの)川による沖積平野や干拓地(旧入江内湖)が広がる。古くから水陸交通の要地として知られた。朝妻筑摩(あさづまちくま)は古代の皇室の御厨(みくりや)でもあり、琵琶(びわ)湖水運の要港として古代、中世を通じて栄えたが、近世には近くの米原港に要港としての地位を譲った。番場、醒井は中山道(なかせんどう)、米原は北国(ほっこく)街道の宿駅であった。1889年(明治22)東海道本線(現JR)の前身湖東鉄道が通じて以来、鉄道の分岐点として重要視され、JR東海道本線(琵琶湖線)のほか、東海道・山陽新幹線、北陸本線が通じ、また近江鉄道(おうみてつどう)、北陸自動車道、国道8号、21号も通じる交通の要地。了徳(りょうとく)寺のオハツキイチョウは国の天然記念物、青岸寺(せいがんじ)庭園と醒井峡谷は国の名勝に指定されており、松尾寺九重塔、蓮華(れんげ)寺の過去帳や銅鐘など国指定重要文化財も多い。霊仙山や琵琶湖岸は琵琶湖国定公園域。

[高橋誠一]

『『米原町史』(1999・米原町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「米原」の意味・わかりやすい解説

米原
まいはら

滋賀県北東部,米原市南部の旧町域。琵琶湖岸の沖積地から霊仙山の北斜面にかけて広がる。 1923年町制。 1956年息郷村,醒井村と合体。 2005年山東町,伊吹町と合体して米原市となった。中心地区の米原は,慶長8 (1603) 年に港が開かれ,江戸時代は彦根三湊の一つとなり,1889年東海道鉄道,北陸鉄道両線の分岐点となって以後,国鉄関係施設が集まり,鉄道の町として発展。北陸,中部,近畿を結ぶ交通の要地にあたり,東海道新幹線,名神高速道路,北陸自動車道などが通じる。湖岸の朝妻筑摩は平安時代の琵琶湖水運の要津。湖岸の沖積地は入江干拓地で,おもに米作が行なわれる。醒井に養鱒場があり,付近の醒井峡谷,および市街地東部の青岸寺庭園はともに国の名勝。国の天然記念物である了徳寺のオハツキイチョウなど観光資源も多い。筑摩神社の鍋冠祭は奇祭で知られる。湖岸および南東部の霊仙山付近一帯は琵琶湖国定公園に属する。

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