こ【籠】
〘名〙
① 竹や植物の蔓
(つる)、
針金などで編んだ器物の総称。かご。
※書紀(720)皇極元年七月(図書寮本訓)「人有りて白雀を以て籠(コ)に納(い)れて」
※竹取(9C末‐10C初)「いとをさなければこに入れて養ふ」
② 火桶の上にかぶせ、その上に衣をかけてかわかしたり、香をたきしめたりするのに用いる籠。伏籠(ふせご)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※源氏(1001‐14頃)帚木「なへたる衣
(きぬ)どもの、厚肥えたる、大いなるこに
うちかけて」
かご【籠】
〘名〙
① 竹、つる、柳、針金など線状のもので編んだ器物。こ。
※名語記(1275)四「このころ流浪の行人のせなかに負たる籠をかこおひとなつけたり、かこ如何。かはくらの反、こは籠也。蔵籠也」
② (遊女を「籠の鳥」ということから) 遊郭や遊女屋をいう。
※雑俳・柳多留‐一四(1779)「かごの跡二人(ふたり)で傘を一本さし」
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デジタル大辞泉
「籠」の意味・読み・例文・類語
こ【▽籠】
1 竹を編んで作ったいれもの。かご。
「―もよみ―持ち」〈万・一〉
2 「伏せ籠」に同じ。
「なえたる衣どもの厚肥えたる、大いなる―にうちかけて」〈源・帚木〉
かご【籠】
1 竹・籐・柳、または針金などを編んで作った入れ物。「買い物籠」「籠の鳥」
2 エレベーターの箱形室(ケージ)や、ロープウエーの客室、気球の搭乗室(ゴンドラ)などのこと。
[類語]笊
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かご【籠】
竹,蔓,木の小枝,針金などを編んでつくった入れ物。語源は定かではないが,上代に〈こ〉と呼ばれていたことを考えれば,〈か〉の由来する言葉との合成語であることがわかる。すなわち〈か〉は竹の意とも堅の意ともいわれ,〈こ〉に形容的に冠している。あるいはまた,構籠(かきご)や囲むの略義であろうとする説もある。籠の文献上の用例としては,まず鎌倉時代に書かれた《名語記》の〈こころ流浪の行人のせなかに負たる籠をかこおひとなつけたり〉をあげることができる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
世界大百科事典内の籠の言及
【編物】より
…〈編み〉に機械的工夫を加えたものが〈織り〉だともいえよう。
【考古学からみた編物】
人類は古くから編物を利用していたらしく,考古学的には網,籠(バスケット類),蓆(莚)(むしろ),網代などが確かめられる。だが編物は素材が一般に有機質だから腐りやすく遺物として残りにくいため,絵画資料によるほかは多くの場合,粘土面への圧痕などによってわずかにその存在を知るか,または出土する石・土製の錘をもって編物細工用の錘具あるいは漁網用の錘とみて,それらの存在を間接的に推知したりするにとどまる。…
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