節物(読み)せつぶつ

精選版 日本国語大辞典 「節物」の意味・読み・例文・類語

せつ‐ぶつ【節物】

〘名〙 その季節の物。その時々に応じて産する物。時の物。
文華秀麗集(818)下・奉和聴新鶯〈小野岑守〉「辺亭節物花鳥異、料得唯聞笛中吹」 〔晉書‐律歴志〕

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デジタル大辞泉 「節物」の意味・読み・例文・類語

せつ‐ぶつ【節物】

その季節季節の物。時節景物

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普及版 字通 「節物」の読み・字形・画数・意味

【節物】せつぶつ

四季風物。唐・盧照鄰〔長安古意〕詩 物風光、相ひ待たず 桑田碧須臾(しゆゆ)にして改まる 昔時の金階、白玉の堂 只今(ただいま)惟だ見る、の在るを

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世界大百科事典(旧版)内の節物の言及

【際物師】より

…際物を販売する商人。際物は節物(せつもつ)のことで時節時節のものをいう。日限があり,その時に売らなければ廃物となってしまい,あるいは来年のその時を待たなければ買手がないという品物である。…

【フシ(節)】より

…この場合は,作曲されていないコトバに対する。また声楽旋律としても,とくに美しく作曲されている旋律をフシということがあり,平曲ではそのような旋律を聴かせることを眼目にした演目を節物という。節物は拾イ物(ひろいもの)(拾イ)に対する。…

【平曲】より

…伝授をうける前に精進が必要とされ,神聖視されているのが〈灌頂巻〉で,《大原御幸(おはらごこう)》《六道》など5曲,〈大秘事〉〈小秘事〉は容易には伝授を許されない曲で,〈大秘事〉に《宗論(しゆうろん)》《剣の巻》《鏡の巻》など,〈小秘事〉に《祇園精舎》《延喜聖代》などがある。 音楽的性格からみると,抒情的・旋律的な〈節物(ふしもの)〉(賦し物)と,勇壮でテンポの速い〈拾(ひろ)イ物〉に分類されるが,両方の性格を合わせもつものもある。また〈読物〉は独特のフシまわしをもつ部分を含む。…

※「節物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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