(読み)しん

精選版 日本国語大辞典 「箴」の意味・読み・例文・類語

しん【箴】

〘名〙
① はり。縫い針。また、病気治療に用いる石鍼(いしばり)。〔礼記内則
② 戒めとなるもの。戒めとなることば。また、その文体箴言(しんげん)
異制庭訓往来(14C中)「昭明太子曰。箴興於補一レ闕」 〔書経‐盤庚・上〕

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デジタル大辞泉 「箴」の意味・読み・例文・類語

しん【箴】[漢字項目]

[音]シン(呉)(漢) [訓]はり いましめ
縫い針。医療用の針。「箴石
戒める。戒め。「箴警箴言

しん【×箴】

いましめ。いましめの言葉箴言しんげん
漢文文体の一。箴言を記した韻文隔句に韻を押した四言のものが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「箴」の意味・わかりやすい解説


しん

中国の文体の一つ。「いましめことば」の意で、「銘(めい)」と並称される。四言でつづる文体がもっとも多く、三言、五言、七言のものもあり、隔句に韻を踏む。古く夏(か)、殷(いん)、周の三代以来、聖賢の戒めことばとして伝えられる「箴」が、諸古典に散在している。自身を戒めるものを「私箴」、人々の過ちを戒めるものを「官箴」とよび、漢の揚雄(ようゆう)の「五箴」、晋(しん)の張華(ちょうか)の「女史箴」、唐の韓愈(かんゆ)の「遊箴」、柳宗元(りゅうそうげん)の「憂箴」などが名高い。

[杉森正弥]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「箴」の意味・わかりやすい解説


しん
Zhen

中国,文体の一種。人あるいは自己を戒める内容の文。4言の句で隔句に押韻するが,必ずしも一定しない。前漢末の揚雄の『十二州牧箴』,六朝時代晋の張華の『女史箴』などが有名。

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