箙の梅(読み)えびらのうめ

精選版 日本国語大辞典 「箙の梅」の意味・読み・例文・類語

えびら【箙】 の 梅(うめ)

① 寿永三年(一一八四)の春、源平両軍の生田の森の合戦に、梶原源太景季(一説にはその父景時とも)が、梅の枝を箙にさして戦い、功名をあげたという故事神戸市の生田神社境内にその遺跡がある。えびらうめ。
浄瑠璃彦山権現誓助剣(1786)九「梶原源太景季は、平家の陣に切入って、誉を揚げし箙(エビラ)の梅」
② 梅の一品種の名。花はまばらにつき、淡紅色、大形でやや桃の花に似ている。《季・春》
※俳諧・年浪草(1783)春「梅〈略〉箙梅中花如越中梅所謂梶原源太景季折枝挿于箙云々」
③ 「えびら(箙)(二)」の古名。

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デジタル大辞泉 「箙の梅」の意味・読み・例文・類語

えびら‐の‐うめ【×箙の梅】

寿永3年(1184)の源平生田の森の合戦で、梶原景季かじわらかげすえが梅の枝をに差して戦った故事。神戸の生田神社に遺跡があり、能や浄瑠璃の題材となった。
梅の一品種。花は淡紅色で大きく、桃の花に似ている。

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