筑北(村)(読み)ちくほく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「筑北(村)」の意味・わかりやすい解説

筑北(村)
ちくほく

長野県中北部、東筑摩郡(ひがしちくまぐん)にある村。2005年(平成17)同郡本城村(ほんじょうむら)、坂北村(さかきたむら)、坂井村(さかいむら)が合併して成立。松本市の北に接する。西の坂北、本城地区と、東の坂井地区との間には四阿屋山(あずまやさん)(1387メートル)が立ちはだかり、坂井地区は飛び地のようになっている。JR篠ノ井(しののい)線、国道143号、403号が通じる。長野自動車道も村内を通過するが、隣接する麻績(おみ)村の麻績インターチェンジを利用。筑摩山地の丘陵地が広がる純農村で、緩やかな傾斜地に集落が散在凍霜害冷害干害などに見舞われることも多い。近年は松本市・長野市への通勤者も増加している。産業は米作のほかソバ、麦、大豆を主とし、マツタケは特産。フサスグリのジャムなど、果実加工品などの食品製造も盛ん。北方の聖高原(ひじりこうげん)と北東端部にそびえる冠着山(かむりきやま)(標高1252メートル)を結んで聖山高原県立公園が広がり、冠着山の西側鞍部を通る古峠(ことうげ)は、古代には東山道(とうさんどう)の支路が通っていたとされる。冠着山は月の名所として知られ、冠着山南東麓の四十八曲(しじゅうはちまがり)峠からは千曲(ちくま)川が望める。修那羅峠(しょならとうげ)の安宮神社(やすみやじんじゃ)は800体もの石仏があることで高名。東部を流れる安坂(あざか)川沿いに草湯(くさゆ)温泉、西部を流れる麻績(おみ)川沿いに差切峡(さしきりきょう)温泉、南部西条には西条温泉がある。面積99.47平方キロメートル、人口4149(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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