第5世代移動通信方式(読み)だいごせだいいどうつうしんほうしき

知恵蔵 「第5世代移動通信方式」の解説

第5世代移動通信方式

スマートフォンなどで利用される無線移動体通信技術であり、2017年1月現在主流である第4世代移動通信(4G)の後継となる次世代の無線通信方式。5G(5th Generation)と略されることもある。日本では20年に開催される東京オリンピックに合わせ、商用化を目指している。
無線移動体通信技術は、アナログ方式の1G(第1世代)、デジタル方式の2G(第2世代)を経て、最大通信速度が最大110Mbps(メガビット/秒)の3G(第3世代)、そして最大1Gbps(ギガビット/秒)の4G(第4世代)へと、高速かつ大容量のデータ通信が進んできた。第5世代移動通信方式(以降5G)では、10Gbps以上の超高速通信と、2010年のトラフィック量の約1000倍の大容量化を目標にしており、更に、通信回線の状態が良く、遅れが少ないことを意味する「低遅延(低レイテンシー)」を基本的性能の一つとしている。
このような5Gの条件が整えば、無線通信で提供されるブロードバンドサービス「MBB(Mobile Broad Band)」が拡張され、例えば、4Kに代表される精細なストリーミング動画や、クラウドのデータと連動した「AR(拡張現実)」のような新しいインターフェースサービスなどが、安定供給できるようになる。また、安全かつ確実性が求められる自動運転のようなサービスも安心して提供できるようになる。
更に近年は、建物、電化製品、自動車、医療機器といった、あらゆる物がインターネットに接続される「IoT(モノのインターネット)」の推進も重要なテーマになっているが、IoTでは、大量のデバイスやデータが、通信回線を使用するため、IoTの普及には、5Gの導入が必要不可欠であるといわれている。

(横田一輝 ICTディレクター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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